「カロリー制限」と聞くと、ダイエットの手法と思いがちですが、適度なカロリー制限はダイエットだけでなく寿命を延ばす効果があるという学説が増えてきました。
カロリー制限と長寿
20〜30%のカロリー制限を行うことにより、様々な生物で寿命が延びることが、近年の実験から証明されつつあります。これはまずマウスで証明されましたが、最近では猿などの「人間に近い生き物」でも証明されつつあります。
「人間もカロリー制限で寿命が延びた！」という科学的根拠はまだ得られていません。
しかし、100歳以上の長寿者を対象にしたアンケート調査や、自発的にカロリー制限をしていた人々を対象とした研究などでは長寿効果が示唆されています。
また、単純に寿命が延びただけでなく健康寿命（健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間）も伸びていました。
人間におけるカロリー制限の効果
10年前にスタートしたある研究では、摂取カロリーや食事行動に関する集中的な教育プログラムが行われ、実際に参加した人々は平均で12%のカロリー制限を実現させました。
この研究でカロリー制限を行った人々はカロリー制限を行わなかったグループの人々と比べて、インスリン感受性が改善していました。インスリン感受性が悪くなると糖尿病のリスクが上がりますので、カロリー制限を行うと糖尿病になりにくくなるということがわかりました。
また、カロリー制限を行ったグループの人々では、悪玉コレステロールも下がっていました。
カロリー制限の問題
人間でもカロリー制限が長期間持続可能であり、寿命および健康寿命を伸ばす可能性があると臨床的に示唆されてきました。
しかし、ダイエットにも言えることですが、毎日の摂取カロリーを制限することが果たして持続可能かどうかは問題です。
とはいえ、ダイエットで行うような方法が健康に長生きをするためにも効果があると、科学的にも明らかになってきました。
「痩せているから大丈夫！」「ダイエットとは無関係！」そんな風に思っていた方も、健康長寿のためにダイエットに注目してみてください。
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