エステ機器の法律と業界認証まとめ|国の認可はある?3つの制度と医師でなければできない施術【2026年版】

エステ機器の法律と業界認証まとめ|国の認可はある?3つの制度と医師でなければできない施術【2026年版】

エステサロンで使う機器には、医薬品医療機器等法(薬機法)、医師法、景品表示法、特定商取引法がそれぞれ別の角度から関わります。さらに業界団体による3つの認証・審査制度があり、名前が似ているため混同されがちです。本記事では、業務用エステ機器メーカーのワムが、日本の法規制と業界認証を、通知番号・出典つきで1ページに整理しました。

この記事の結論

エステ機器そのものを対象にした国の許認可制度はありません。医療機器として承認・認証されたものだけが薬機法の対象で、エステ用機器は一般の電気製品として扱われます。そのぶん業界団体の自主基準が実質的な安全の基準になっており、①美容ライト機器適合審査制度(日本エステティック振興協議会が設定/日本エステティック工業会が運営)②エステティック機器認証(日本エステティック機構)の2つが代表的です。一方、脱毛行為等・いわゆるアートメイク・HIFU施術は医師でなければ行えないと国の通知で明示されています。

1. どの法律が、何にかかるのか

法律かかる対象サロンで問題になりやすい点
医師法施術行為そのもの医行為にあたる施術を医師以外が行うこと
医薬品医療機器等法(薬機法)医療機器・化粧品・医薬部外品と、その広告エステ機器や化粧品について、医療機器・医薬品のような効果をうたうこと
景品表示法広告・表示全般根拠のない効果の表示、体験談の使い方、ステルスマーケティング
特定商取引法コース契約・回数券書面交付、クーリング・オフ、中途解約の精算
電気用品安全法ほか機器そのものの電気的安全該当する場合の技術基準適合

2. 医師でなければ行えない施術

厚生労働省医政局長通知「美容医療に関する取扱いについて」(令和7年8月15日/医政発0815第21号)では、医師でなければ行えない医行為として、次のものが例示されています。

出典:厚生労働省 医政発0815第21号(令和7年8月15日)

見落とされがちなのが4番目の「医学的な判断を伝える行為」です。カウンセリングで症状を聞き取り、「それならこの施術をすべき」と判断して伝える形になると、機器を使っていなくても問題になり得ます。サロンのカウンセリングはお手入れの提案として組み立ててください。

HIFUについては、ここまでの経緯があります

時期できごと
2021年7月消費者安全調査委員会が、エステサロン等でのHIFUによる事故の調査を開始
2023年3月29日同委員会が事故等原因調査報告書「エステサロン等でのHIFU(ハイフ)による事故」を公表。神経・感覚の障害や熱傷の被害が報告された
2024年6月厚生労働省が、医師免許を持たない者によるHIFU施術は医師法違反にあたる旨を通知
2025年8月15日医政発0815第21号で、HIFU施術が医行為の例として明示

出典:消費者庁 消費者安全調査委員会 報告書(令和5年3月29日)

詳しくはエステサロンでハイフ(HIFU)は提供できるのかで解説しています。

3. エステ機器は「医療機器」ではありません

薬機法上の医療機器は、クラス分類に応じて国の承認・認証・届出を経て市場に出ます。エステサロン向けの機器はこの枠組みの外にあり、一般の電気製品として扱われます。

ここから、次の2つが導かれます。

  1. 国がエステ機器を審査する制度は存在しないため、「国の認可を受けた機器」という表現は使えません
  2. 医療機器としての承認を受けていない機器について、医療機器のような効果を広告すること自体が薬機法上の問題になります(未承認医療機器の広告)

「脂肪を破壊する」「痩身効果がある」といった表現が問題になるのは、単に大げさだからではなく、医療機器の効能を名乗ってしまっているからです。表現のルールはエステサロンの広告表現ガイドにまとめています。

4. 業界団体の認証・審査制度(ここが実質的な基準)

国の制度がないぶん、業界団体の自主基準が安全性の拠りどころになっています。名前が似た制度が複数あるため、整理しておきます。

① 美容ライト機器適合審査制度

制度の設定一般社団法人 日本エステティック振興協議会
運営一般社団法人 日本エステティック工業会(振興協議会から運営を委託)
対象もとは脱毛用の光機器が対象。現在はフェイシャル・ボディ機能を備えた複合機も対象
審査項目性能の試験審査/安全機能審査/光測定審査/電気安全試験審査 など
合格すると1台ごとに「適合証明シール」が貼付されて納品される

出典:日本エステティック工業会 美容ライト機器適合審査制度/合格機器はラインナップで公開されています

光脱毛の機器を導入するなら、まずこのラインナップに載っているかを確認してください。合格機は公開されているので、メーカーの説明を待たずに自分で確かめられます。

② エステティック機器認証

運営特定非営利活動法人 日本エステティック機構(JEO)
対象フェイシャル・ボディ・脱毛などの施術機器、消毒機器や補助器具
審査共通規格と個別規格にもとづく、認定試験機関による製品試験とシステム審査
目的消費者が安心して施術を受けられるよう、機器の安全性を確保すること

出典:日本エステティック機構 エステティック機器認証(認証機器の一覧も公開されています)

③ 美容ライト脱毛という考え方

日本エステティック振興協議会は、美容ライト脱毛を「除毛・減毛を目的に、皮膚に負担を与えず、毛の幹細胞を破壊しない範囲でエステティックサロンで行う光脱毛」と定義しています。医療機関が行うレーザー脱毛とは別のものです。

サロンで「永久脱毛」と表示できないのは、この線引きによります。詳しくは業務用脱毛機の選び方をご覧ください。

3つの制度の使い分け

確認したいこと見るべき制度
導入する光脱毛機が業界基準を満たしているか① 美容ライト機器適合審査(合格機のラインナップが公開)
フェイシャル・ボディ機器を含めた安全性② エステティック機器認証(JEO)
自店の施術が脱毛としてどこまで許されるか③ 美容ライト脱毛の定義

5. メーカーを見るときの確認項目

機器選定の実務は業務用エステ機器の種類と選び方、サポート体制はチェックリストにまとめています。

6. 契約と広告のルール

項目内容
特定継続的役務提供エステティックは、期間1か月を超え、金額5万円を超える契約が対象。概要書面・契約書面の交付義務、クーリング・オフ(書面受領日から8日間)、中途解約の精算ルールがあります
不実証広告規制景品表示法にもとづき、表示の裏づけとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求められた場合、原則15日以内に提出できなければ不当表示とみなされます
ステルスマーケティング規制2023年10月1日から、広告であることを隠した表示は景品表示法違反になります

詳細は回数券・コース契約と特定商取引法、広告表現ガイドをご覧ください。

7. 導入前チェックリスト

  1. 提供しようとしている施術が、医行為にあたらないか(脱毛行為等・アートメイク・HIFUは不可)
  2. 機器が該当する業界制度の審査・認証を受けているか。公開リストで自分で照合したか
  3. 広告で医療機器のような効果をうたっていないか
  4. カウンセリングが「医学的な判断の伝達」になっていないか
  5. 適応・禁忌がメーカー資料に明記され、スタッフ全員が共有しているか
  6. コース契約が特定商取引法の要件を満たしているか
  7. 事故が起きたときの対応手順と保険が整っているか

よくある質問

Q. エステ機器に国の認可制度はありますか?
A. ありません。医療機器として承認・認証されたものだけが薬機法の枠組みに入り、エステサロン向けの機器は一般の電気製品として扱われます。そのため「国の認可を受けた機器」という表現は使えません。

Q. 「日本エステティック工業会の認証」とは何ですか?
A. 工業会は、日本エステティック振興協議会から委託を受けて「美容ライト機器適合審査制度」を運営し、日本エステティック機構の「エステティック機器認証制度」に協力しています。制度によって運営団体と対象が異なるため、どの制度のことかを確認してください。

Q. 導入しようとしている機器が認証を受けているか、自分で確認できますか?
A. できます。美容ライト機器適合審査の合格機は日本エステティック工業会のサイトで、エステティック機器認証の認証機器は日本エステティック機構のサイトで公開されています。

Q. エステサロンで「永久脱毛」と言えないのはなぜですか?
A. サロンで行えるのは、除毛・減毛を目的とし、毛の幹細胞を破壊しない範囲の美容ライト脱毛と定義されているためです。永久脱毛は医療機関の施術です。

Q. カウンセリングでも法律上の問題が起きますか?
A. 起き得ます。厚生労働省の通知では、個別の状況に応じて医学的な判断を行い伝える行為も医行為として例示されています。症状に対する判断ではなく、お手入れの提案として組み立ててください。

Q. 機器で事故が起きたら、責任は誰にありますか?
A. 施術を行ったサロンが対応と賠償の責任を負います。適応・禁忌の確認、同意書、記録、保険の整備が実務上の備えになります。

まとめ

エステ機器には国の許認可制度がなく、業界団体の自主基準が実質的な安全の基準になっています。だからこそ、メーカーの「認証済み」という言葉を鵜呑みにせず、どの制度の認証かを確認し、公開されているリストで自分で照合することが、サロンを守る一番確実な方法です。

そして、脱毛行為等・いわゆるアートメイク・HIFU施術は、医師でなければ行えません。これは国の通知で明示されています。導入を勧められたときは、この線引きを説明できるメーカーかどうかを判断材料にしてください。

※本記事は2026年9月時点の公開情報にもとづく一般的な整理です。個別の判断は、管轄の行政窓口や専門家にご確認ください。

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この記事は、全国累計5,000店以上のサロンと取引実績を持つ株式会社ワムが運営するWAMUタイムズ編集部が執筆しています。