例えば、仕事で責任重大なプロジェクトなどを任され、2~3日ほとんど寝れないという突発的な不眠によって「一時的に痩せる(=やつれる)」という事例はあります。
「寝ないと痩せる!」という説まで流れましたが、この上記の原理をダイエットに応用するのは危険なのでやめましょう。
ちなみに2~3日寝なかったとしても、一定以上の体重は落ちないです。健康被害の方が大きいです。
寝ないと太る
結論を言えば、寝ないと太りやすくなります。
人間にとって「睡眠」が不可欠なのは、体や脳を休めるためだけではありません。
じつはダイエットや体型維持にも重要な役割を果たしているのです。
睡眠不足で太りやすくなる原因は以下の2つが考えられています。
①睡眠不足と痩せホルモンの減少
「寝ないと太る」という現象が起こるのは、睡眠中に分泌される2つのホルモンが原因です。
1つは、脂肪細胞から分泌されるレプチン。もう1つは成長ホルモンです。
レプチンは満腹中枢に作用して、食べ過ぎやドカ食いを防いでくれるホルモンです。
成長ホルモンは筋肉を作り、脂肪分解作用をはじめとする新陳代謝を活発にしてくれるホルモンです。
レプチンと成長ホルモンは、どちらも「痩せるために良い働きをしてくれるホルモン」であり、睡眠中に多く分泌されます。
つまり、ホルモンがしっかり分泌されるような“正しい睡眠”をとらないと、これらの恩恵を受けることができないのです。
②代謝の低下
こんなことを考えたことはありませんか?
- 睡眠時間が短い ⇒ 活動時間が長い ⇒ エネルギー消費量が多い
- 睡眠時間が長い ⇒ 活動時間が短い ⇒ エネルギー消費量が少ない
起きている時間が長い人の方が消費カロリーが多から、痩せるように思えます。
ところが、どちらも1日のエネルギー消費量が変わらないという研究結果が出ています。(参考:Hibi M,et al.Scientific Reports. 2017;7:39640)
睡眠時間の短い人ほど、代謝が落ちる傾向にあるのです。そのため、確かに活動時間は長いのですが、睡眠時間が長い人よりも脂肪を蓄積しやすい体質になってしまいます。
おまけにレプチンの分泌が少なく、満腹感を得にくいので、むしろ通常の睡眠時間の人よりも摂取カロリーが増えてしまう可能性が高いのです。
現代人は睡眠時間が短くなっているとよく聞きます。
睡眠によるメリットは数多くありますので、しっかりと睡眠時間を確保するようにしましょう。
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