EMSの禁忌とは?エステサロンで施術を控えるべき方・部位と施術前チェック項目【2026年版】

EMSの禁忌とは?エステサロンで施術を控えるべき方・部位と施術前チェック項目【2026年版】

「このお客様にEMSをかけても大丈夫?」――EMSのボディメニューを提供するサロンでは、カウンセリングのたびに判断が求められます。EMSは電気で筋肉を動かす機器のため、体の状態や当てる部位によっては使えない場合があります。本記事では、EMSの施術を控えるべき方(禁忌)、注意が必要な部位、施術前のチェック項目、施術中に気分が悪くなったときの対応を、サロンの安全管理の視点でまとめます。

この記事の結論

EMS機器では一般に、ペースメーカーなど体内植込み型の医用電気機器を使っている方は使用できず、心臓に持病のある方、妊娠中の方、悪性腫瘍のある方、発熱・急性疾患のある方なども施術の対象外とされることが多くあります。首(頸部)への使用は避け、傷や皮膚トラブルのある部位にもパッドを当てません。具体的な禁忌は機器ごとに違うため、使う機器の取扱説明書を基準に、カウンセリングシートと同意の手順をサロンで決めておくことが大切です。

EMSの施術で「禁忌」の確認が欠かせない理由

EMS(Electrical Muscle Stimulation:電気的筋肉刺激)は、パッドから電気刺激を与えて筋肉を収縮させる機器です。電気を体に流すため、体内の医用電気機器への影響や、刺激による体調の変化が起こることがあります。

消費者安全調査委員会は2024年4月、家庭用のEMS美顔器を首の両側に当てて使ったところ、めまいのような状態になって倒れたという申出を受けて、首(頸部)付近にEMSを当てると反射性失神が起こり、転倒してけがをするおそれがあると情報提供しています(消費者安全調査委員会「家庭用EMS美顔器に係る事故に関する情報提供」)。家庭用の美顔器の事例ですが、電気刺激を扱うサロンにとっても、当てる部位と体調の確認が大切だとわかる例です。

EMSの施術を控えるべき方(一般的な禁忌)

EMSや低周波の機器の取扱説明書では、次のような方が使用できない、または医師に相談すべき方として挙げられることが多くあります。項目と扱いは機器によって違うため、必ず使う機器の取扱説明書で確認してください。

区分主な例理由の例
使用できないペースメーカー、植込み型除細動器(ICD)など体内植込み型の医用電気機器を使っている方電気刺激で医用電気機器が誤作動するおそれがある
使用できない・医師の判断心臓に持病のある方電気刺激が心臓に影響するおそれがある
使用できない・医師の判断妊娠中の方、出産直後の方母体・胎児への安全性が確認されていない
医師の判断悪性腫瘍のある方、治療中の方症状に影響するおそれがある
当日は控える発熱がある方、急性の病気・感染症のある方、体調がすぐれない方体に負担がかかる
医師の判断血圧の異常がある方、てんかんの既往がある方、通院・服薬中の方刺激による体調の変化が起こりやすい

判断に迷うときは、サロンで「大丈夫です」と判断せず、主治医に確認してから施術する流れにしておくと安全です。

パッドを当ててはいけない部位

おなかや太ももなどにパッドを当てる場合も、月経中の腹部は避けるなど、機器ごとの注意に従ってください。

施術前のチェック項目(カウンセリングシートの例)

初回のカウンセリングで、次の項目を書面で確認しておきます。2回目以降も、来店のたびに体調を口頭で確認します。

確認すること当てはまる場合
ペースメーカーなど体内植込み型の医用電気機器を使っていますか施術しない
心臓の病気、血圧の異常、てんかんなどの持病はありますか主治医の確認が取れるまで施術しない
妊娠中、または妊娠の可能性はありますか/出産直後ですか施術しない
治療中の病気、通院・服薬はありますか主治医に確認してから
今日、発熱・体調不良・寝不足・飲酒はありますか当日は控える
パッドを当てる部位に傷・湿疹・日焼けはありますかその部位を避ける
体内に金属(人工関節など)が入っていますか機器の取扱説明書で確認する

確認した内容はカルテに残し、お客様の署名をもらっておくと、スタッフが替わっても同じ基準で判断できます。

施術中・施術後に気をつけること

消費者安全調査委員会の情報提供では、失神の前に感じることが多い症状として、頭が締め付けられるような感覚、物がダブって見える、吐き気、意識が遠のく感覚などが挙げられています。こうした様子が見られたらすぐに施術を止め、横になって休んでもらいます。症状が治まらない場合は医療機関に相談してください。

広告・カウンセリングでの表現の注意

EMSのメニューを案内するときは、「寝ているだけで運動の何倍も」「確実に痩せる」「脂肪を燃焼する」のように、根拠のない効果や体への作用を断定する表現は使えません。景品表示法の不実証広告などの問題になるおそれがあります。「EMSで筋肉を動かすボディメニュー」など、施術の内容を伝える表現にとどめましょう。表現の考え方はエステサロンの広告表現ガイドをご覧ください。

業務用EMSを選ぶときは「安全機能」と「研修」も確認

業務用EMSを導入するときは、刺激の種類やプログラムだけでなく、緊急停止スイッチなどの安全機能と、禁忌や施術の流れを教えてくれる研修があるかも確認しましょう。選び方の全体は業務用EMSの選び方で解説しています。

株式会社ワムのハイパーウェーブは、独自のQI波(クワトロインパクト)を使った業務用EMSで、緊急停止スイッチが付属しています。パネルにパッドを貼る位置の図を表示し、スタッフが扱いやすい設計です。機器の特長はハイパーウェーブとはをご覧ください。

よくある質問

Q. ペースメーカーを使っているお客様にEMSを施術できますか?
A. できません。EMS機器では一般に、ペースメーカーや植込み型除細動器などの体内植込み型の医用電気機器を使っている方への使用が禁止されています。電気刺激で医用電気機器が誤作動するおそれがあるためです。

Q. 妊娠中のお客様に施術してもいいですか?
A. 控えてください。妊娠中の方への安全性は確認されていないため、多くの機器で使用できない、または医師に相談すべき方とされています。

Q. 首や肩にEMSを当ててもいいですか?
A. 首(頸部)付近は避けてください。消費者安全調査委員会は、首付近にEMSを当てると反射性失神が起こり、転倒してけがをするおそれがあると情報提供しています。肩まわりへの使用可否は、使う機器の取扱説明書に従ってください。

Q. 施術中にお客様の気分が悪くなったらどうすればいいですか?
A. すぐに施術を止めて、横になって休んでもらいます。症状が治まらない場合は医療機関に相談してください。施術中はスタッフがその場を離れず、すぐ停止できる状態にしておきましょう。

Q. 禁忌の確認はどのように記録すればいいですか?
A. 初回にカウンセリングシートで持病・妊娠・体内の医用電気機器などを確認し、お客様の署名をもらってカルテに残します。2回目以降も、来店のたびに当日の体調を確認します。

まとめ

EMSは、ペースメーカーなど体内植込み型の医用電気機器を使っている方には使えず、心臓の持病や妊娠などがある方も施術の対象外とされることが多い機器です。首への使用は避け、皮膚トラブルのある部位にもパッドを当てません。具体的な禁忌は機器ごとに違うため、使う機器の取扱説明書を基準に、カウンセリングシートと記録の手順をサロンで決めておきましょう。安全の確認を徹底することが、お客様に安心して通っていただけるEMSメニューにつながります。

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この記事は、全国累計5,000店以上のサロンと取引実績を持つ株式会社ワムが運営するWAMUタイムズ編集部が執筆しています。