昨今、スマートフォンをカーナビや音楽再生、充電器として活用するために、車内にスマホホルダーを取り付けるケースが増えています。便利な反面、取り付け位置によっては法律違反となり、運転者の視界を妨げる危険性が指摘されています。
特に日本では、国土交通省が定める「道路運送車両の保安基準」や道路交通法によって、運転者の視認性が厳しく守られる必要があります。
本記事では、違反にならない正しい取り付け位置と注意点、さらにはおすすめの製品選びのポイントについて詳しく解説します。
法律と基準:スマホホルダー取り付けに関する基本知識
適用される法令と基準
車に取り付けるスマホホルダーに関しては、「道路運送車両の保安基準」や「道路交通法」が適用されます。特に、運転者の前方視界を確保するための規定が厳しく定められており、例えば前方2m内にある高さ1m、直径0.3mの円柱(6歳児を模したもの)が視認できることが求められています。
これにより、ホルダーが視界を遮る位置に設置されると、違反となる可能性があります。
視界の確保とその重要性
運転中、運転者が安全に道路状況を把握できることは最重要課題です。スマホホルダーが前方の視界を遮ると、万が一の際に事故のリスクが大幅に増加します。視界確保のための基準は、単に「見える」かどうかだけではなく、死角が生じないようにすることが求められており、取り付け位置選びは慎重に行う必要があります。
違反にならない取り付け位置
法律上、視界を妨げず安全に取り付けることが認められている主な位置は以下の3カ所です。
ダッシュボード上の取り付け
ダッシュボード上に設置する場合、重要なのは前方の視界に死角が生じないかどうかです。正しい位置に設置すれば、スマホをナビとして使う際も画面が見やすく、かつ運転の妨げにならないメリットがあります。ただし、設置場所が前方視界の障害物となると違反となるため、必ず視界を確認する必要があります。
エアコン吹き出し口への取り付け
エアコンの吹き出し口は、画面を確認する際に視線を大きく逸らすことなく、またスマホ本体もコンパクトに収まるため、違反リスクが低い位置です。さらに、夏場の高温対策としても有効で、エアコンの冷風がスマホを冷却する効果が期待できます。
ドリンクホルダーへの取り付け
ドリンクホルダーに設置するタイプも、視界に影響を及ぼさない安全な位置として認識されています。特に、低い位置に設置することで運転中の視線移動を最小限に抑えることができるため、集中して運転できる環境を維持できます。
違反になりやすい取り付け位置とその理由
フロントガラス・サイドガラスへの取り付け
フロントガラスやサイドガラスは、国土交通省の定める保安基準により、装着できるものが厳しく限定されています。例えば、バックミラーやETCアンテナ、ドライブレコーダーなどは一定の条件下でのみ装着が許可されていますが、スマホホルダーはその対象に含まれていません。
また、ガラス面に設置する場合、装着できる位置は「ガラス上端から縦の長さの20%以内」または「下端から150mm以内」と決められており、これを超えると視界が妨げられるリスクが高まります。
サンバイザーやバックミラーへの取り付け
サンバイザーやバックミラーにスマホホルダーを装着すると、運転者の前方視界に死角ができる可能性が非常に高いです。これにより、道路状況の確認が困難となり、事故のリスクが増加します。したがって、これらの位置への設置は基本的に避けるべきです。
スマホホルダーの種類と選び方のポイント
スマホホルダーには、取り付け方法や固定方法によってさまざまなタイプがあります。ここでは、選ぶ際の主要なポイントをまとめます。
設置方法別の種類
以下の4種類が一般的です。
- シール・粘着テープ方式:固定力が高いものの、熱により粘着力が低下したり、取り外し時に跡が残ることがある。
- 吸盤・ゲル方式:跡が残りにくく、再設置が容易。ただし、吸着力は劣る場合がある。
- クリップ方式:ダッシュボードなどに簡単に挟んで取り付け可能だが、設置位置が限られる。
- エアコン吹き出し口専用タイプ:コンパクトで見栄えがよく、固定性も高いが、エアコンの風の影響を受けることもある。
固定方法別の種類
また、スマホの固定方法にも以下のようなタイプがあります。
- マグネット方式:スマホに金属プレートを取り付け、磁力で固定。安定性が高い。
- オートホールド方式:スマホを置くだけで自動的に固定されるので、手間が少なく便利。
- バネ方式:バネの力で固定するため、幅広いスマホに対応可能。ただし、着脱がやや難しい場合がある。
- シリコンマット方式:簡易的で気軽に使用できるが、固定力が劣る。
選ぶ際に確認すべきポイント
スマホホルダーを選ぶ際は、以下の点に注意しましょう。
ポイント | 説明 |
---|---|
安定性 | 走行中にずれたり落下しないか、しっかり固定できるかを確認する。 |
視界への影響 | 取り付けた際に運転者の視界を遮らないかをチェックする。 |
取り外し跡 | 取り外す際にダッシュボードなどに跡が残らないかも重要なポイント。 |
対応機種 | スマホのサイズやケースの厚さに対応しているかを確認する。 |
違反となった場合の罰則と安全運転の重要性
違反に対する具体的な罰則
違反となる位置にスマホホルダーを設置した場合、例えばフロントガラスなど不適切な場所に取り付けた場合は、「安全運転義務違反」として違反点数2点、反則金9,000円(普通車・軽自動車の場合)が科される可能性があります。
また、視界不良が原因で事故を引き起こした場合は、より重い罰則が適用されるリスクもあります。
ながら運転とその罰則、注意点
スマホホルダーにスマホを設置していても、運転中に画面を注視する行為は「ながら運転」として厳しく取り締まられています。警察庁は、目安として2秒以上の注視を危険と判断しており、これにより違反点数が増加し、場合によっては一発免停の可能性もあります。
そのため、スマホを利用する際は音声案内などを併用し、画面に長時間視線を移さないよう十分注意が必要です。
まとめ
スマホホルダーは、正しく取り付ければ運転の安全性や快適性を大いに向上させます。しかし、法律で定められた前方視界確保の基準を守らなければ、違反となり罰則や重大な事故のリスクを伴います。
<安全に使用するためのポイント>
・推奨位置:ダッシュボード上、エアコン吹き出し口、ドリンクホルダー。
・避けるべき位置:フロントガラス、サイドガラス、サンバイザー、バックミラー。
・利用時の注意:運転中はスマホ画面の注視を最小限に抑え、音声案内や助手席への依頼を活用する。
これらのポイントを守ることで、法律違反を回避しながら、安全かつ快適なカーライフを送ることができるでしょう。