美容と健康の分野で注目を集める「プラセンタ」。その名を耳にしたことはあるかもしれませんが、その詳細や効果について詳しく知っている方は少ないかもしれません。ここでは、プラセンタの種類やその美肌効果について詳しく解説し、あなたに最適なプラセンタの選び方を紹介します。
プラセンタとは?
プラセンタとは、英語で「Placenta(胎盤)」という意味です。胎児が母体の中で育成していくための大切な器官で、妊娠中に子宮内で形成されます。胎盤には五大栄養素(タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル)やアミノ酸、酵素などが豊富に含まれており、胎児の成長に欠かせません。
プラセンタは古代から医療や美容に利用されてきました。紀元前の中国では妙薬として、江戸時代の日本では秘薬として使われ、世界三大美女やフランスの王妃も愛用していたと言われています。
プラセンタの種類
プラセンタには大きく分けて3つの種類があります。動物性プラセンタ、植物性プラセンタ、海洋性プラセンタです。それぞれの特徴と違いを見ていきましょう。
動物性プラセンタ
動物性プラセンタは、哺乳類の胎盤から抽出されます。主な動物性プラセンタは以下の通りです。
- ヒト由来のプラセンタ:日本では医療用に限られています。ヒトの胎盤から抽出されたプラセンタエキスは、注射薬や点滴、医薬品として使用されます。
- 豚由来のプラセンタ:最も多く使用されているプラセンタです。豚の分子構造がヒトに近いため吸収性が優れています。
- 馬由来のプラセンタ:アミノ酸含有量が多く、安全性が高いとされていますが、抽出量が少なく稀少価値が高いです。
- 牛由来のプラセンタ:かつてはよく使用されていましたが、狂牛病のリスクから現在は使用が禁止されています。
- 羊由来のプラセンタ:ヨーロッパなどで使用されていますが、日本では規制されています。
植物性プラセンタ
植物性プラセンタは、めしべの一部である「胎座」から抽出されます。メロンやカボチャなどの種の周りの繊維状の部分です。動物性プラセンタと同様の効果は期待できませんが、アミノ酸、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、美容成分として期待できます。副作用がほとんどなく、安全性が高いとされています。
海洋性プラセンタ
海洋性プラセンタは、魚の卵巣膜から抽出されます。植物性プラセンタと同様、胎盤ではないため厳密にはプラセンタではありませんが、アミノ酸など豊富な栄養素を含んでおり、美容成分として期待できます。哺乳類のような感染症のリスクがなく、安全性が高いとされています。
プラセンタで期待できる美肌効果
プラセンタは美容と健康に多くの効果をもたらします。ここでは、美肌効果について詳しく見ていきましょう。
抗酸化作用(アンチエイジング)
プラセンタには強力な抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぎます。これにより、シワやたるみの予防が期待できます。
抗炎症作用
日焼けやニキビなどの肌トラブルによる炎症を抑える効果があります。炎症が抑えられることで、肌の赤みや腫れも軽減されます。
コラーゲンの生成
プラセンタにはコラーゲンの生成を促進する効果があります。これにより、肌のハリや弾力が増し、シワの予防効果が期待できます。
血行の促進
プラセンタは血行を促進する効果があり、肌のくすみを抑える効果があります。血行が良くなることで、肌のトーンが明るくなり、健康的な肌が保たれます。
新陳代謝(ターンオーバー)の促進
プラセンタには新陳代謝を促進する効果があります。これにより、肌のターンオーバーが正常化し、古い角質が排除され、健康的な新しい肌が現れます。
プラセンタの摂取方法
プラセンタを取り入れる方法は、大きく分けて3つあります。それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
プラセンタ注射
プラセンタ注射は、医療機関で行われる方法です。厚生労働省が認可している医薬品として、メルスモンとラエンネックの2種類があります。肝機能障害や更年期障害などの治療目的では保険が適用されますが、美容目的では保険適用外となります。
効果は個人差がありますが、一度で効くことは少なく、定期的な注射が必要です。また、ヒト由来のプラセンタ注射を受けた場合は、感染症のリスクがあるため献血や臓器提供が制限されます。
サプリメント・ドリンクの飲用
豚や馬由来のサプリメントやドリンク、粉末状の商品を飲用することで体内にプラセンタを取り入れます。馬プラセンタは稀少価値が高く高価ですが、成分はほとんど同じですので、効果的にはどちらも変わりません。
効果が現れる時期は個人差がありますが、ホルモンバランスを整える目的の場合は約3ヶ月以上、アンチエイジング目的の場合は半年~1年が目安です。
化粧品の塗布
化粧品として取り入れる場合も、豚や馬由来のプラセンタがほとんどです。日焼けやアレルギーなどの炎症を抑え、美肌効果を得るために肌の外側から塗布します。
プラセンタ入りの化粧品は、化粧水やクリーム、クレンジング剤、石鹸など多岐に渡ります。濃度が重要であり、効果は個人差がありますが、3ヶ月以上の使用をおすすめします。
プラセンタの選び方
美容や健康のためにプラセンタを取り入れる際には、以下のポイントを参考にして自分に最適なプラセンタを選びましょう。
1. プラセンタの由来を確認する
プラセンタには動物性、植物性、海洋性の3種類があります。それぞれの特徴や効果を理解し、自分の目的に合ったものを選びます。
- 動物性プラセンタ:吸収性が高く、美肌効果が期待できるため、特にアンチエイジングや肌の再生を目的とする方におすすめです。豚由来、馬由来のプラセンタが一般的です。
- 植物性プラセンタ:副作用が少なく、安全性が高いのが特徴です。アミノ酸やビタミンが豊富に含まれているため、美容目的で使用する方に適しています。
- 海洋性プラセンタ:感染症のリスクが低く、安全性が高いです。アミノ酸が豊富で、美肌効果を期待する方におすすめです。
2. プラセンタの濃度をチェックする
プラセンタの効果を得るためには、その濃度が重要です。濃度が高いほど効果が期待できますが、価格も高くなる傾向があります。商品を選ぶ際には、濃度を確認し、コストパフォーマンスを考慮して選びましょう。
3. 続けやすい摂取方法を選ぶ
プラセンタの摂取方法は、注射、サプリメント・ドリンク、化粧品の塗布と多岐にわたります。自分のライフスタイルに合った方法を選ぶことが大切です。
- プラセンタ注射:即効性があり、医療機関で受けることができますが、定期的な通院が必要です。
- サプリメント・ドリンク:手軽に摂取でき、継続しやすいのが特徴です。プラセンタの含有量を確認して選びましょう。
- 化粧品の塗布:日常的に使用でき、肌に直接アプローチできます。濃度が重要となるため、成分表示を確認して選びましょう。
プラセンタの注意点
プラセンタを取り入れる際には、以下の点に注意が必要です。
アレルギーの確認
プラセンタにはアレルギーのリスクがあります。特に動物性プラセンタの場合、動物アレルギーの方は事前に医師に相談することをおすすめします。植物性や海洋性プラセンタでも、アレルギー反応が出ることがあるため、初めて使用する際にはパッチテストを行いましょう。
過剰摂取に注意
サプリメントやドリンクの形でプラセンタを摂取する場合、過剰摂取は避けましょう。適量を守り、体に負担をかけないようにすることが大切です。特にホルモンバランスに影響を与える可能性があるため、用量を守って使用しましょう。
医師の相談
プラセンタ注射を考えている場合や、既存の健康問題がある場合は、事前に医師に相談することをおすすめします。特に妊娠中や授乳中の方は注意が必要です。
プラセンタの効果を最大限に引き出すために
プラセンタの効果を最大限に引き出すためには、適切な摂取方法と生活習慣が重要です。
バランスの良い食事
プラセンタの効果を高めるためには、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。特にビタミンやミネラルを豊富に含む食品を摂取することで、プラセンタの効果がさらに向上します。
規則正しい生活
規則正しい生活習慣もプラセンタの効果をサポートします。十分な睡眠と適度な運動を心がけ、ストレスを溜めないようにすることが大切です。
スキンケアの見直し
プラセンタを含む化粧品を使用する際には、自分の肌質に合ったスキンケアを行いましょう。プラセンタの効果を最大限に引き出すためには、クレンジングや保湿をしっかり行い、肌を健康な状態に保つことが重要です。
まとめ
プラセンタは、その豊富な栄養素と多岐にわたる効果から、美容と健康の分野で高い評価を受けています。動物性、植物性、海洋性の3種類があり、それぞれの特徴を理解して自分に合ったものを選ぶことが大切です。また、プラセンタの濃度や摂取方法も重要なポイントとなります。
プラセンタを取り入れる際には、アレルギーの確認や過剰摂取に注意し、医師の相談を受けることをおすすめします。バランスの良い食事や規則正しい生活習慣を心がけることで、プラセンタの効果を最大限に引き出すことができます。
健康的で美しい肌を目指して、ぜひプラセンタを取り入れてみてください。