自宅で手軽にサロン仕上げのヘアカラーが楽しめる時代となりました。美容室での施術に代わり、市販のヘアカラーを使用することで、時間や費用を節約しつつ自分好みのスタイルに変化できるのは大変魅力的です。しかし、セルフカラーは失敗や髪へのダメージが心配されがち。そこで今回は、美容師の目線で「傷みにくい」市販セルフヘアカラーを厳選し、ランキング形式でご紹介します。また、選び方のポイントや使用時の注意事項についても詳しく解説していきます。
セルフカラーの魅力と注意点
自宅でセルフカラーを楽しむ魅力は、何と言っても手軽さとコストパフォーマンスです。忙しい現代人にとって、サロンに通う時間を省き、好きな時間にカラーを楽しめるのは大きなメリットです。しかし、注意すべき点もあります。市販ヘアカラーは成分が比較的マイルドなものが多いものの、使い方を誤るとムラやダメージの原因となることがあります。正しい使用方法を守り、髪質や好みに合わせたタイプを選ぶことが、理想の仕上がりと健康な髪を保つために欠かせません。
市販セルフヘアカラーの選び方
市販のセルフヘアカラーは多様な製品がラインナップされています。自分に合ったカラー剤を選ぶために重視すべきポイントを以下の見出しで解説します。
1. カラー剤のテクスチャー選び
市販ヘアカラーには大きく分けて「乳液タイプ」と「泡タイプ」の2種類があります。
・乳液タイプはクリーム状でしっかりと色素が染み込み、発色力が高いものが多いですが、均一に塗布するのがやや難しい場合があります。
・泡タイプは泡状で髪に馴染ませやすく、ムラなく仕上がる点がメリット。ただし、染毛力がやや弱めなことがあるため、髪質や地毛の状態に注意が必要です。
2. 色味の選定ポイント
髪色を選ぶ際には、なりたいイメージと自身のパーソナルカラーを意識することが大切です。
・クールな印象や落ち着いた印象を求めるなら、アッシュやグレー、ダークブラウンがおすすめです。
・ナチュラルで柔らかい印象を求める場合は、ブラウンベースやベージュ系が最適。
・また、パーソナルカラーに合わせた色選びも、顔全体の印象を大きく左右しますので、自分に似合うトーンを見極めることがポイントです。
3. 明るさ（トーン）の確認
パッケージ裏に掲載されている仕上がり写真やカラーチャートを参考に、トーンの数字で自分のイメージに合う明るさを選びます。例えば、就職活動などフォーマルなシーンには暗めのトーン、ナチュラルで明るい印象を狙うなら中間～明るめのものがおすすめです。
4. キャパシティ（容量）の確認
髪の長さや毛量に合わせて、必要なカラー剤の量をチェックしましょう。特にミディアム以上の長さや髪量が多めの方は、1箱で染めきれない可能性があるため、2箱以上の準備がおすすめです。
美容師が厳選！傷みにくい市販セルフヘアカラーランキング10選
ここからは、美容師が実際に検証したおすすめのセルフヘアカラーを、ランキング形式でご紹介します。各製品ごとに特徴や気になるポイント、実際に使った感想などを詳しく解説しています。
1位：ロレアル パリ オレオリュクス
・タイプ：クリームタイプ
・放置時間：30分
・対象髪長：セミロング程度
・価格：1,980円前後
特徴としては、オイルプレスシステムを採用し、毛髪内部に色素をしっかり押し込むことで、透明感のあるブラウン系の仕上がりが特徴です。付属のヘアマスクやヘアオイルで、カラー後のダメージ補修が可能。また、アンモニア無配合で刺激臭を抑えているため、快適にカラーリングできます。ただし、クリーム状のため均一な塗布が難しく、セルフカラー初心者には少し手間がかかる点がデメリットです。
2位：花王 リーゼ ティントカラージェル
・タイプ：乳液タイプ
・放置時間：30分
・対象髪長：セミロング（肩につく程度）
・価格：1,209円前後
「ティント処方」により、髪の表面をしっかりコーティングして発色を良くするのが特徴です。低刺激処方となっているので、髪や頭皮への負担が少なく、ピンク系やオレンジ系など鮮やかなカラーを実現。発色の鮮やかさとジェル状の使いやすさが魅力ですが、シャンプーのたびに色落ちしてしまう点には注意が必要です。
3位：ホーユー ビューティラボ ホイップヘアカラー
・タイプ：泡タイプ
・放置時間：30分
・対象髪長：セミロング（肩につく程度）
・価格：684円前後
泡タイプならではの、シェイカー容器で作る濃密なホイップが髪に均一に馴染むのがポイントです。初めてセルフカラーに挑戦する方にも扱いやすく、価格もお手頃な点が魅力です。ただし、染毛力がやや弱いため、特に太い髪や黒髪寄りの方は発色が控えめになる場合があります。また、香りがやや強いとの意見もあるため、敏感な方は試してみると良いでしょう。
4位：ホーユー ビューティーン メイクアップカラー
・タイプ：乳液タイプ（泡立つ乳液）
・放置時間：25分
・対象髪長：セミロング（肩につく程度）
・価格：655円前後
こちらは、ブリーチヘア向けに設計された製品で、明るい髪に対しては非常に鮮やかな発色を実現します。泡立つ乳液が髪全体にしっかりと馴染み、ムラなく染めることが可能。付属のシャンプーやアフターカラー美容液でカラー後のケアも行えますが、シャンプーのたびに色落ちしやすい点が注意点となっています。
5位：花王 リーゼ ブリーチオンカラー
・タイプ：泡タイプ
・放置時間：20〜30分
・対象髪長：セミロング（肩につく程度）
・価格：879円前後
ブリーチ後の髪向けに、透明感のあるカラーをプラスできる製品です。低アルカリ処方により、ブリーチ後のデリケートな髪に優しいのが特徴で、黄ばみを抑えた発色を実現します。ムラなく均一に染められるため、ブリーチ後のホームカラーとして非常に使い勝手が良いですが、明度が低い髪だと発色がやや控えめになる可能性があります。
6位：サイオス イルーセント ミルキーヘアカラー
・タイプ：乳液タイプ
・放置時間：20分
・対象髪長：セミロング～ロング
・価格：882円前後
サイオス独自のイルーセントカラー処方により、赤味を感じさせない透明感のあるカラーが実現。豊富なカラーバリエーションと、手で揉み込むだけでムラなく染まる点で、セルフカラー初心者にもおすすめです。ただし、太く硬い髪の場合、一部発色が弱くなる場合があるため、髪質に合わせたベース作りを検討するとさらに良い仕上がりが期待できます。また、染めた後のパサつきが気になる場合があるため、十分なトリートメントケアが必要です。
7位：ダリア パルティ カラーリングミルク ヘアカラー
・タイプ：乳液タイプ
・放置時間：20分
・対象髪長：セミロング～ロング
・価格：596円前後
この製品は、トリートメント効果を重視した乳液状のヘアカラーです。つばきオイルや果汁、シルクプロテインなどの毛髪ケア成分がバランス良く配合され、手で揉み込むだけで均一に染まるため、セルフカラー初心者にも非常に扱いやすい設計となっています。低価格が魅力ですが、染毛力がやや弱いという意見もあるため、硬い髪質の場合は事前のブリーチなどで下準備を行うと、より理想的な発色が得られるでしょう。
8位：花王 リーゼ 泡カラー
・タイプ：泡タイプ
・放置時間：約20～30分
・対象髪長：セミロング（肩から脇の下くらいの長さ）
・価格：836円前後
濃密な泡状のテクスチャーが、髪の根元までしっかりと密着しやすい点が特徴です。毛髪保護成分（シルク液や軟質ラノリン脂肪酸など）が配合されているため、カラー後も髪がきしまず、なめらかな仕上がりに。初心者にも扱いやすい製品ですが、やや強めのフローラル系の香りが気になることがあるため、香りに敏感な方は注意が必要です。
9位：ヘンケルジャパン フレッシュライト ミルキーヘアカラー
・タイプ：乳液タイプ
・放置時間：10〜20分
・対象髪長：セミロング程度
この製品は、くし型ノズルでムラなく塗布できるのが魅力です。Wオイル配合により、しっとりとしたツヤのある仕上がりが実現でき、手軽にサロン仕上げのような質感が楽しめます。短い放置時間で手早く仕上がる点は忙しい方にぴったりですが、他製品と比較すると持続性にやや難がある場合があるため、こまめなカラー補正も考慮しましょう。
10位：マンダム ルシードエル ミルクジャムヘアカラー
・タイプ：乳液タイプ
・放置時間：15〜25分
・対象髪長：セミロング（肩につく程度）
・価格：611円前後
ベージュ系やブラウン系を中心に、ナチュラルで落ち着いた仕上がりを求める方におすすめです。トリートメント感覚で使用でき、塗りムラを抑えながらもしっかりと発色してくれる点が魅力です。比較的低価格でありながら、髪へのダメージを抑える配慮がされているため、自宅でサロン級のケアを実現したい方に最適な製品です。
セルフカラーで失敗しないためのポイント
自宅でのカラーリングにおいては、以下のポイントを押さえることで、サロン仕上げのクオリティを実現できます。
・パッチテストの実施
初めて使用する製品は必ず、使用前にパッチテストを行い、肌や頭皮に異常がないか確認しましょう。刺激に敏感な方は、特に注意が必要です。
・使用手順の確認
各製品に付属する説明書をしっかりと読み、順番や放置時間、必要な付属アイテムを確認してください。事前に髪を整えたり、下地処理を行うことで、ムラを防止し、理想的な発色が得られます。
・カラー後のケア
カラーリング後は、専用のシャンプーやトリートメントでしっかりとケアを行うことが大切です。特に、付属のヘアマスクや洗い流さないトリートメントを併用することで、髪の補修やツヤの維持が可能になります。定期的なケアでダメージを最小限に抑えましょう。
自宅で簡単サロン仕上げを実現するために
今回ご紹介した各製品は、いずれも自宅でプロフェッショナルな仕上がりを目指したい方に向けたものです。美容師が厳選したランキングを参考にすることで、髪へのダメージを抑えつつ、豊富なカラーバリエーションと使いやすさを兼ね備えた製品を選ぶことができます。自分の髪質や目的に合わせたカラー剤を選び、正しい使い方を実践することで、理想のカラーに仕上げることができるでしょう。
セルフカラーは最初は不安に感じるかもしれませんが、コツさえ掴めば自宅でも簡単にサロン仕上げの仕上がりが実現可能です。ぜひ、今回ご紹介した製品や選び方のポイントを参考に、自分だけのヘアスタイルにチャレンジしてみてください。自分でカラーリングをすることで感じる達成感と、毎日のスタイリングの幅が広がる楽しさをぜひ実感してください。
まとめ
自宅で簡単にサロン仕上げを目指すためには、セルフカラーの基本を理解し、髪質に合った市販ヘアカラーを選ぶことがカギとなります。今回ランキング形式でご紹介した10製品は、美容師の視点から「傷みにくさ」や「使いやすさ」に重点を置いて選ばれたものです。
・タイプ（乳液タイプor泡タイプ）の違いを理解し、自身の髪質や目的に合わせた製品を選ぶ。
・色味や明るさ、容量をしっかりとチェックし、適正な使用方法を守る。
・カラー後のケアも怠らず、定期的にトリートメントを行うことで、健康な髪を維持する。
自宅で行うセルフカラーは、少しの工夫と正しい知識があれば、サロン品質の仕上がりを実現できます。美容師推奨の製品を参考に、あなたも自分だけのスタイルを楽しみながら、毎日のヘアケアタイムを充実させてください。
