スマートフォンの普及とともに、QRコードを利用した決済サービスが急速に広がっています。特に、日本国内では『PayPay（ペイペイ）』と『d払い』の2つのサービスが非常に人気であり、多くの利用者に親しまれています。これらの決済サービスは、利用者や店舗側に対してそれぞれ異なる特徴や利点を提供しています。本記事では、両者のサービスを利用者と店舗の視点から詳しく比較し、それぞれのメリットやデメリットについて深く考察していきます。
『PayPay（ペイペイ）』とは
PayPayは、ソフトバンク株式会社とヤフー株式会社の共同出資により立ち上げられたQRコード決済サービスで、2018年にサービスが開始されました。設立当初から大規模なキャンペーンを展開し、瞬く間に多くの利用者を獲得しました。加入する店舗側にも手数料を無料にする施策を講じることで、導入が進みました。
特徴
PayPayは、初回のポイント還元キャンペーンにより利用者の急増を実現し、その後もさまざまなプロモーションでユーザーのロイヤルティを維持しています。決済手数料は1.60%からスタートし、さらに利用者にはPayPayボーナスとして還元が行われます。特に、キャンペーン時には一時的な還元率の向上が期待できるため、積極的に利用するメリットがあります。
『d払い』とは
d払いは、NTTドコモが提供するQRコード決済サービスであり、2018年4月にサービスが開始されました。このサービスは、dポイントと連携している点が大きな特徴であり、決済時に貯まったポイントを使ったり、還元を受けることが可能です。また、ドコモユーザーにはキャリア決済も選択できるため、手軽で便利な支払い手段として重宝されています。
特徴
d払いは、決済ごとにポイントが貯まる仕組みがあり、他のサービスとの提携によって利用できる場所を拡大している点が魅力です。特にドコモのサービス利用者にとっては、ポイント還元率が高くなる特典が多いのが特徴です。これにより、d払いは固定のユーザー層からの支持を集めやすいです。
利用者目線で比較
ポイント還元率で比較
『PayPay』と『d払い』のポイント還元率は、基本的には両者共に0.5%ですが、条件に応じてd払いの還元率は最大3%まで上昇することがあります。一方、PayPayは特定の条件を満たすことで還元率が変動しますが、不定期に高還元のキャンペーンが行われており、期間限定での特典が魅力となっています。したがって、利用者は自身の利用状況に応じて選択する必要があります。
使えるお店・加盟店数で比較
加盟店数では、PayPayが374万か所、d払いは309万か所とされており、PayPayの方が幅広い店舗で利用できることがわかります。特に、PayPayは個人経営の小規模店舗から大手チェーンまで、さまざまな場所で導入されているため、利便性が高いといえます。このため、利用者にとってはお財布代わりとして使い勝手が良いポイントの一つです。
残高チャージ方法で比較
両者ともに銀行口座やATMから残高をチャージすることが可能ですが、PayPayはチャージ方法が多彩であるため柔軟性が高いです。d払いは全国の金融機関に対応していますが、サービス開始当初は対応が限られていました。現在では改善が進んでいますが、PayPayの方がさらに選択肢が多いです。
店舗導入目線で比較
利用率（シェア）で比較
店舗での利用率においては、PayPayが圧倒的に高いシェアを誇っています。QRコード決済サービス全体と比較してもその優位性は顕著です。d払いは次点の存在ではあるものの、全国的な認知度はまだPayPayに及ばず、店舗側も導入時にPayPayを優先する傾向があります。
導入費用と手数料で比較
両サービスは、導入費用が無料で、QRコードが印字されたスタンドを設置するだけで利用開始が可能です。d払いは入金サイクルが月2回であるため、現金管理がしやすく分かりやすいですが、PayPayは月1回の入金であるため、店舗側の資金運用においては注意が必要です。どちらのサービスも一長一短があり、店舗の運営スタイルに応じて選択する判断が求められます。
まとめ
『PayPay（ペイペイ）』と『d払い』の比較から得られた結論は、それぞれに異なる強みがあるということです。PayPayは広範な店舗での利用可能性と大規模キャンペーンの実施が際立っており、多くのパターンで使えるのが強みです。反対に、d払いは特にドコモユーザーに対し利点が多く、お得なポイント還元を活用しやすいという特徴があります。
利用者の視点からは、総合的にPayPayを優先する場面が多いものの、ドコモのサービスを利用するドコモユーザーにとっては、d払いを選ぶことが賢明な選択ともいえます。店舗側の観点でも、導入を考える際はPayPayを優先しつつも、dポイントを利用した集客の可能性を無視することはできません。
最終的には、利用者のニーズや店舗のビジネスモデルに応じて、賢くサービスを使い分けることが重要です。今後とも、QRコード決済サービスは多様化が進んでいくことが予想されるため、両者の動向を注視し、それぞれの長所を活かした利用が求められます。
