近年、脱毛サロン業界は激動の時代に突入しています。特に、著名なブランドの倒産が相次いでおり、業界全体の信頼性や持続可能性に疑問が持たれています。ここでは、最近の倒産事例やその背景、業界の動向について詳しく探っていきます。
脱毛サロン業界の現状と背景
脱毛市場は、ここ数年で急激に拡大しました。多くのサロンが競争に参入し、安価で手軽に脱毛ができることが消費者に広く受け入れられたためです。しかし、急激な成長に伴い、倒産する事業者も増加する一因となりました。
東京商工リサーチによると、2022年度には脱毛サロンを含むエステ業界の閉業・廃業件数は116件に達しました。この数字は過去最多となっており、その影響がどのように業界全体に波及するか注目されています。
倒産事例の詳しい分析
ここでは、最近倒産した大手脱毛サロンの具体的な事例を見ていきましょう。各社が直面した課題や経営難の理由についても考察します。
エタラビ（倒産：2017年4月）
エタラビは、株式会社グローバル・ブリエ東京が運営していたサロンで、2016年に消費者庁から業務停止命令を受け、信用が低下。新規顧客の獲得ができず、倒産に至りました。
TEGOSHI BEAUTY SALON（閉店：2022年5月）
手越裕也がプロデュースしていたこのサロンは、人気運にもかかわらず長続きせず、顧客獲得の持続性が欠如していました。また、スタッフからの反発が内部的な問題を引き起こしました。
AmSALON（閉店：2022年5月）
俳優の新田真剣佑が関わっていたこのサロンも、顧客基盤の確保ができず短期間で閉店しました。
脱毛ラボ（倒産：2022年8月）
新型コロナウイルスの影響で全店舗が休業し、その後の広告費用が重くのしかかり、倒産に至りました。
キレイモ（事業譲渡：2022年9月）
新型コロナの影響から、支払いや返金が滞るなど財務面での悪化が見られました。半数の店舗が譲渡される事態になりました。
ウルフクリニック（事業停止：2023年4月）
急激な投資負担の重さが経営を圧迫。新規顧客からの入金に依存する状況となり、事業を持続できませんでした。
シースリー（倒産：2023年9月）
広告費と固定費の大幅増加が倒産につながりました。通い放題プランも収益を圧迫する要因となり、結局は経営が成り立たなくなりました。
銀座カラー（倒産：2023年12月）
経営悪化の背景には、新型コロナウイルスの影響があったとされています。赤字が続き、最終的には倒産に至りました。
倒産がもたらす影響と対応策
現在利用中の脱毛サロンが倒産した場合、顧客にどのような影響があるのでしょうか。特に気になるのは、前払いした料金や残っている施術回数です。
都度払いの場合
施術が途中で終わることはありますが、別の脱毛サロンを利用することで比較的簡単に対応が可能です。
前払いの場合
残っている施術回数の分だけ返金を受けられる可能性がありますが、相手に返済能力がない場合、実際には返金が難しいケースが多いです。例えば、ウルフクリニックの場合、多くの顧客が返金を受けられず、集団訴訟が行われています。
倒産リスクを回避するためには
都度払いでの利用が推奨されますが、難しい場合は経営が安定しているサロンを選ぶようにしましょう。
業界の今後と展望
大手脱毛サロンの倒産が続く中、業界全体の未来はどうなるのでしょうか。まず、顧客の意識が変わる可能性があります。
人々は新しい脱毛サロンを選ぶ際、経営の安定性や透明性を重視する傾向が強まるでしょう。このため、今後サロンはサービスの質や顧客対応の強化に努めなければなりません。
また、オンラインでのサービス提供や、サブスクリプションモデルの導入が進む可能性もあります。新しいビジネスモデルを取り入れることは、競争力を高める要素として注目されます。
まとめ
大手脱毛サロンの倒産が相次ぐ背景には、さまざまな要因が影響しています。急成長した市場での競争激化、外的要因としての新型コロナウイルスの影響、そして内部経営の不備などが複雑に絡み合っています。
今後脱毛サロンを利用する際には、倒産のリスクを理解し、慎重に選ぶことが重要です。特に高額プランを契約する際は、十分な情報収集を行った上での判断が求められます。
業界の動向を見守りながら、自分に合った安心して利用できるサロンを見つけることが大切です。
